東京地方裁判所 昭和43年(借チ)2009号 決定
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〔決定理由〕2 鑑定委員会の意見は、本件土地の更地価格を3.3平方米当り一八万円、借地権価格はその六五%とし、一般に借地権譲渡の場合の財産上の給付は更地価格の一〇%、借地権価格の一五%程度を相当とするが、本件においては家屋の腐朽度が高く残存期間はなお一二年近く残つているけれども、家屋改築の必要が迫つているので契約更新に伴う地主側の不利益を考慮し、前記割合を若干増加する必要を認めるとする。そして、その額は右の見地に立つて更地価格の一〇%をやや上廻る3.3平方米当り二万円を相当とし、借地全体で三三万〇四〇〇円となるとする。
3 当裁判所は、本件土地の更地価格及び借地権価格は右意見によるを相当と認める。これによると借地権価格は3.3平方米当り一一万七〇〇〇円となり借地全体で約一九三万円となる。本件において申立人は賃借にあたり八万円余の示談金を支払つているけれども、その後の社会経済事情の変動により前述のような価額をもつに至つた借地権の交換価値を実現しうるのであるから、その相当部分を賃貸人に還元配分するのが公平に適するというべきことも前記意見のとおりである。ただ、前記意見は、契約更新に伴う賃貸人の不利益という点を考慮しているけれども、本件では格別期間の延長をするわけではなく、従前の約定期間満了の際には更新の拒絶も可能であり、借地法の規定によつて更新されても、建物の朽廃による借地権の消滅もあり得るわけであり、これらの期待を本件の許可によつて奪われるわけではない。それ故、本件においては、前記意見における程の給付は必要でなく、金二五万円(前示借地権価格の一三%、更地価格の8.45%にあたる)をもつて相当と認める。
4 賃料については、従前のそれは低額であると認められるので、鑑定委員会の意見に従い、本件借地権の譲渡のなされた時から、一カ月一、二三九円に増額することとする。(安岡満彦)
(一) 土地
東京都文京区駒込千駄木三丁目
宅地 1,202.11平方米のうち
54.61平方米(16.52坪)